固定長期適合率 計算ツール|固定比率も同時に確認
固定資産・自己資本・固定負債を入力すると、固定長期適合率と固定比率を計算します。まずは入力例の結果を確認できます。
財務比率を計算する
例として固定資産5,000万円、自己資本4,000万円、固定負債3,000万円を入力しています。比較する金額の単位と決算時点をそろえてください。
計算結果
入力例の計算結果
固定長期適合率
5,000万円 ÷(4,000万円+3,000万円)× 100
固定資産を自己資本と固定負債の合計で賄える水準です。100%は比較の目安であり、安全を保証しません。
固定比率
5,000万円 ÷ 4,000万円 × 100
固定資産が自己資本を上回る例です。固定長期適合率と並べて、固定負債を含む長期資金との対応を確認できます。
計算はこのブラウザー内で行います。結果は入力値に基づく参考値です。
固定長期適合率の計算式と固定比率
固定長期適合率は、固定資産を長期の資金でどの程度まかなっているかを見る財務比率です。自己資本だけではなく、返済期限が比較的長い固定負債も分母に含めます。固定比率は同じ固定資産を自己資本のみと比較するため、2つを同時に見ると資金の組み合わせの違いを整理できます。
| 指標 | 計算式 | 確認する関係 |
|---|---|---|
| 固定長期適合率 | 固定資産 ÷(自己資本+固定負債)× 100 | 固定資産と長期資金の対応 |
| 固定比率 | 固定資産 ÷ 自己資本 × 100 | 固定資産と自己資本の対応 |
計算ではまず自己資本と固定負債を合計し、その金額で固定資産を割ります。比率で表示するため最後に100を掛けます。たとえば分子と分母をともに千円単位で入力しても、比率は同じです。円、千円、百万円など、各項目を異なる単位で混ぜると結果がずれるため、入力前に貸借対照表の表示単位を確認してください。
このページのツールは比率を小数点以下1桁で表示します。途中の計算は丸める前の数値を使い、表示の最終段階だけで四捨五入します。社内資料の表示桁数と異なる場合は、元の金額を使って再計算し、丸め規則も統一してください。
固定長期適合率の計算例
入力例では固定資産5,000万円、自己資本4,000万円、固定負債3,000万円としています。固定比率は5,000万円を4,000万円で割って125.0%です。固定長期適合率は5,000万円を7,000万円(自己資本4,000万円と固定負債3,000万円の合計)で割って71.4%になります。
| 項目 | 金額 | 計算上の役割 |
|---|---|---|
| 固定資産 | 5,000万円 | 両方の比率で使う分子 |
| 自己資本 | 4,000万円 | 固定比率の分母、長期資金の一部 |
| 固定負債 | 3,000万円 | 固定長期適合率の分母に加える金額 |
| 固定比率 | 125.0% | 5,000万円 ÷ 4,000万円 × 100 |
| 固定長期適合率 | 71.4% | 5,000万円 ÷ 7,000万円 × 100 |
この例では固定比率が100%を超えますが、固定負債も含めた長期資金は固定資産を上回っています。数字だけで良し悪しを決めるのではなく、固定負債の返済条件、設備の稼働状況、将来の更新投資、営業活動から生まれる資金を合わせて見ます。
固定負債を0と入力すると、固定長期適合率の分母は自己資本だけになります。そのとき固定長期適合率と固定比率は同じ値です。一方、自己資本が0の場合は固定比率の分母がないため計算できません。自己資本と固定負債の両方が0なら、固定長期適合率も計算できません。
固定長期適合率とは何を見る指標か
固定資産は、土地、建物、機械設備、車両、ソフトウェアなど、通常は長期間にわたって事業で使う資産です。短期に現金化することを前提としない資産を、短期間で返済が必要な資金に頼って取得していないかを考えるとき、固定長期適合率が参考になります。
分母に自己資本と固定負債を使うのは、固定資産の利用期間と資金の返済・維持期間をそろえて見るためです。固定資産の取得を自己資本だけで賄えていなくても、長期借入金や社債などの固定負債を含めた長期資金で賄えていれば、短期資金への依存度は計算上小さくなります。ただし、負債の契約期間が長いことだけで返済可能性が決まるわけではありません。
固定長期適合率は決算書の一時点を切り取る比率です。設備投資を行った直後、借入を実行した直後、季節的に現金が増減する時期など、決算日特有の要因で値が変わります。単年度の数字だけで事業の継続性や資金繰りを断定せず、複数期の推移、返済予定、営業キャッシュフローなどと組み合わせてください。
100%の目安と数値の読み方
100%は、固定資産と自己資本・固定負債の合計が等しくなる計算上の境目です。100%以下なら、入力した固定資産額を長期資金の合計が上回る状態です。100%を超える場合は、固定資産の一部が短期負債など別の資金で支えられている可能性を確認するきっかけになります。
| 結果の例 | 計算上の状態 | 次に見る項目 |
|---|---|---|
| 100%未満 | 自己資本と固定負債の合計が固定資産より大きい | 固定負債の返済期間、資金の余力、固定資産の稼働状況 |
| 100%前後 | 長期資金と固定資産が近い | 設備更新予定、借入返済予定、現金の季節変動 |
| 100%超 | 固定資産が長期資金合計を上回る | 短期借入金や運転資金への依存、投資後の資金計画 |
100%以下を一律の安全ラインとして使うことはできません。設備産業、店舗運営、ソフトウェア中心の事業では必要な固定資産や資金調達方法が異なります。また、自己資本が厚い企業でも将来の大規模返済があれば資金負担は残ります。比率は確認項目の一つとして扱い、同業種の傾向や自社の計画と照らし合わせましょう。
貸借対照表から入力値を確認する
固定資産、自己資本、固定負債は同じ決算日、同じ連結・単体の範囲から取り出してください。貸借対照表を2つ以上使うときは、対象企業と期間が一致しているかを確認します。次の表は入力項目と確認のしかたです。
| 入力欄 | 主な確認箇所 | 入力時の注意 |
|---|---|---|
| 固定資産 | 有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産の合計 | 貸借対照表にある固定資産合計を使う。建設仮勘定などの扱いも資料の区分に従う。 |
| 自己資本 | 株主資本等の内訳や会社が採用する財務分析資料 | 純資産合計と自己資本は常に同じではない。比較の前に定義を確認する。 |
| 固定負債 | 長期借入金、社債、退職給付に関する負債など | 流動負債に区分された一年内返済予定額は、固定負債から除かれている場合がある。 |
会社の決算書で項目がまとめられている場合は、注記や内訳表を確認してください。固定資産の取得価額ではなく、貸借対照表に計上された金額を使います。減価償却累計額が控除される表示では、総額と帳簿価額を混ぜないようにします。入力するすべての数値について、資料の単位が円、千円、百万円のどれかもそろえてください。
自己資本の範囲は分析目的や資料によって扱いが異なることがあります。少数株主持分やその他の包括利益累計額などを含めるかを決めたら、別の年度や企業を比較するときも同じ基準を維持します。簡易な計算で純資産合計を使った場合は、その前提を記録しておくと、後で厳密な自己資本ベースの分析に置き換えやすくなります。
固定比率・自己資本比率・流動比率との違い
似た財務比率でも、分子・分母と見ている期間が異なります。固定長期適合率を固定費率と取り違えないように、何を比較しているかを確認しましょう。固定費率は損益計算上の費用構成を扱いますが、固定長期適合率は貸借対照表の資産と資金源を扱います。
| 指標 | 主な式 | 主な視点 |
|---|---|---|
| 固定長期適合率 | 固定資産 ÷(自己資本+固定負債) | 固定資産と長期資金の対応 |
| 固定比率 | 固定資産 ÷ 自己資本 | 固定資産を自己資本で賄う割合 |
| 自己資本比率 | 自己資本 ÷ 総資産 | 総資産に占める自己資本の構成 |
| 流動比率 | 流動資産 ÷ 流動負債 | 短期の支払いに対する流動資産 |
| 固定費率 | 固定費 ÷ 売上高など | 売上や総費用に対する費用構成 |
たとえば自己資本比率が高くても、土地や設備への投資が非常に大きければ固定比率は100%を超えることがあります。流動比率は一年以内の支払いを考える指標で、長期資産の調達構成とは役割が違います。目的に合わせて指標を組み合わせ、単一の数値を総合的な信用判断に置き換えないでください。
固定長期適合率を使う場面
設備投資の前後を比べると、追加した固定資産をどのような資金で支えているかを確認できます。投資前の数値、投資後の見込み、実際の決算数値を同じ定義で並べると、長期資金の構成がどう変わったかを追いやすくなります。借入を使う場合は、比率だけでなく返済額と営業キャッシュフローの見込みも確認します。
複数年度の比較では、決算期や会計方針の変更をメモしてください。資産の売却、減損、合併、事業譲渡があった場合、比率の変動が通常の営業活動によるものか、会計上の一時的な要因かを分けて考えます。前期比だけではなく、固定資産の内訳、借入の満期、設備の稼働率などを確認すると判断材料が増えます。
金融機関や取引先に説明資料を作るときは、計算に使った項目名と出典を記録しておくと、同じ数値を再現できます。連結決算を使うのか単体決算を使うのか、純資産合計を自己資本の代わりにしたのか、固定負債の範囲をどうしたのかを明記しましょう。異なる会社の数値を並べるなら、会社ごとの定義の差を確認してから比較してください。
計算上の注意点とツールの限界
- 自己資本が0の場合、固定比率の分母がないため計算できません。
- 自己資本と固定負債の合計が0の場合、固定長期適合率は計算できません。
- 固定資産、自己資本、固定負債は0以上の数値を入力してください。マイナス値は入力ミスか、採用した科目定義を確認します。
- 固定負債の名称や区分は決算書によって異なります。一年内返済予定額がどこに含まれるかを資料で確認してください。
- 同じ期間でも、連結・単体、会計基準、自己資本の定義が違う数値はそのまま比較できません。
- 100%やその前後は計算結果を読み解くための区切りであり、融資、投資、経営の安全性を保証するものではありません。
このツールは入力された3項目から比率を算出するだけで、資産の換金性、借入契約、今後の収益、返済能力を審査しません。意思決定では決算書の注記、資金繰り、将来計画と合わせて確認してください。会計処理や企業間比較について判断が必要な場合は、税理士、公認会計士、金融機関など適切な専門家に相談してください。
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