固定費率計算ツール

売上高、固定費、変動費を入力すると、固定費率、変動費率、限界利益率、損益分岐点売上高をまとめて計算できます。家賃、人件費、減価償却費などの固定費が売上に対して重すぎないか、月次の採算確認やコスト改善にご活用ください。

固定費率・損益分岐点の計算

対象月、店舗、部門、商品群など、分析したい単位の売上高を入力してください
家賃、正社員給与、リース料、減価償却費、基本料金などを入力します
仕入、材料費、外注費、販売手数料などを入力すると変動費率と限界利益率も計算します

固定費率の計算式

固定費率は、固定費が売上高や総費用に対してどれくらい重いかを見る指標です。実務では次の2つの口径を分けて使うと、分析の目的が明確になります。

固定費率(対売上高) = 固定費 ÷ 売上高 × 100

固定費率(対総費用) = 固定費 ÷ (固定費 + 変動費) × 100

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率

売上高に対する固定費率は、収益性や売上減少への耐性を見るときに便利です。総費用に対する固定費率は、費用構造が固定費型か変動費型かを確認するときに使います。

固定費率の目安と見方

固定費率の適正水準は業種、店舗規模、外注比率、設備投資の大きさで変わります。以下は、月次管理で状態を読み取るための一般的な見方です。

固定費率(対売上高) 見方 確認ポイント
20%未満 身軽な費用構造 売上変動への耐性は高めですが、外注費や変動費が膨らんでいないかも確認します。
20%~35% 標準的 売上、粗利率、固定費の増減を月次で並べて確認します。
35%~50% 要確認 家賃、人員配置、サブスク、リース料が売上規模に合っているか見直します。
50%以上 赤字化リスクが高い 売上が少し落ちるだけで利益が圧迫される可能性があります。

使い方ガイド

  1. 売上高を入力
  2. 固定費を入力
  3. 任意で変動費を入力
  4. 固定費率、限界利益率、損益分岐点を確認

固定費率計算について

固定費率は、売上高に対して固定費がどれだけの割合を占めるかを示します。固定費は売上が下がっても短期的には減りにくいため、固定費率が高い事業ほど損益分岐点が高くなり、売上減少時の赤字化リスクも大きくなります。

固定費率を見る目的

  • 売上規模に対して固定費が重すぎないか確認する
  • 損益分岐点が高くなっている原因を把握する
  • 採用、賃貸契約、設備投資の影響を試算する
  • 固定費削減と売上拡大の優先順位を決める

固定費に含める代表例

  • 店舗家賃、事務所賃料、倉庫費
  • 正社員の固定給、社会保険料
  • ソフトウェア利用料、通信基本料
  • 減価償却費、リース料、保険料

固定費と変動費を分ける理由

固定費と変動費を分けると、売上が増減したときに利益がどのように変わるかを見積もりやすくなります。固定費は売上ゼロでも発生しやすい費用、変動費は売上や販売数量に応じて増減しやすい費用です。

たとえば月間売上高300万円、固定費90万円、変動費150万円なら、固定費率は30%、変動費率は50%、限界利益率は50%です。この場合、損益分岐点売上高は 900,000 ÷ 0.5 = 1,800,000円 となり、現在売上高との差が安全余裕になります。

費用分類で迷いやすい項目

実務では、同じ費用項目でも契約形態によって固定費にも変動費にもなります。人件費は固定給部分を固定費、歩合給や繁忙期だけの外注費を変動費として分けることがあります。広告費も、毎月固定の掲載料は固定費、成果報酬型の広告費は変動費として扱うと分析しやすくなります。

費用項目 固定費にしやすい例 変動費にしやすい例
人件費 正社員の固定給、社会保険料 歩合給、繁忙期の派遣費、外注費
広告宣伝費 月額固定の掲載料、看板費用 成果報酬広告、販売数連動の手数料
物流・配送費 倉庫の基本契約料、固定便契約 出荷件数に応じた配送費、梱包資材

計算例

項目 金額・割合 計算内容
売上高 3,000,000円 入力値
固定費 900,000円 入力値
変動費 1,500,000円 入力値
固定費率 30% 900,000 ÷ 3,000,000 × 100
限界利益率 50% (3,000,000 - 1,500,000) ÷ 3,000,000 × 100
損益分岐点売上高 1,800,000円 900,000 ÷ 0.5

固定費率を下げるときの注意点

固定費率を下げる方法は、固定費を削減する、売上高を増やす、固定費を変動費化する、という3方向です。ただし、必要な人員や設備まで削ると品質低下や機会損失につながります。固定費率だけで判断せず、粗利率変動費率・限界利益率損益分岐点をあわせて確認してください。

費用の分類や損益分岐点の考え方は、会計ソフト会社や公的支援機関の解説でも重視されています。参考:freee「固定費/変動費とは?」OBC「損益分岐点とは?」J-Net21「損益分岐点について」

対売上高と対総費用をどう使い分けるか

固定費率(対売上高)は、売上規模に対して固定費がどれくらい重いかを見るための指標です。月次損益、店舗別採算、部門別予算のように「売上が固定費を吸収できているか」を確認したい場面では、対売上高の固定費率を優先して見ます。売上が同じでも固定費率が上がっている場合は、家賃、給与、リース料、サブスク費用などが増えたか、売上が伸び悩んでいる可能性があります。

固定費率(対総費用)は、費用構造そのものを確認するための指標です。固定費の割合が高い事業は、売上が伸びたときに利益が増えやすい一方、売上が落ちたときに損失も出やすくなります。反対に、変動費の割合が高い事業は売上減少時の固定負担は軽くなりますが、売上が伸びても利益率が上がりにくいことがあります。

新規出店、設備投資、正社員採用、内製化を検討するときは、対売上高と対総費用の両方を見ると判断しやすくなります。たとえば、内製化で外注費が減って固定人件費が増える場合、変動費率は下がっても固定費率は上がります。現在の売上規模で固定費を吸収できるか、損益分岐点売上高がどれだけ上がるかを同時に確認してください。

月次チェックで見るべきポイント

固定費率は1回だけ計算するより、毎月同じ基準で追うほうが役立ちます。特に、売上高、固定費、変動費、限界利益率、損益分岐点売上高を横並びにすると、利益が悪化した原因を分解しやすくなります。売上が増えているのに利益が伸びない場合は、変動費率の上昇や値引きの増加を疑います。売上が横ばいで利益が下がっている場合は、固定費の増加を確認します。

確認する変化 読み取り方 次に見る指標
固定費率だけが上昇 固定契約、人件費、設備費が売上規模に対して重くなっています。 損益分岐点売上高、安全余裕率
固定費率は低下、利益率も低下 売上は伸びても変動費や値引きが増えている可能性があります。 変動費率、粗利率、原価率
固定費率も変動費率も上昇 売上規模の不足とコスト増が重なり、赤字化しやすい状態です。 営業利益率、損益分岐点売上高

社内で共有する場合は、固定費率の数値だけでなく「どの費用を固定費に含めたか」もメモしておくと、前月比較や部門比較のズレを防げます。会計科目の分類が毎月変わると、固定費率の増減が実態ではなく集計方法の違いで発生してしまうためです。

よくある質問

よく使う口径では「固定費 ÷ 売上高 × 100」で計算します。費用構造を見たい場合は「固定費 ÷ 総費用 × 100」も併用します。

固定費率は、売上高や総費用に対する固定費の割合です。変動費率は、売上高に対する変動費の割合です。固定費率は事業の身軽さ、変動費率は売上が増えたときに残る利益余力を見るのに役立ちます。

固定費率が高いほど、売上が下がったときの赤字化リスクは高くなります。一方で、固定費を超える売上が伸びると利益が増えやすい面もあります。業種や成長段階、粗利率とセットで判断してください。

正社員の固定給や毎月一定の給与は固定費として扱うことが多いです。歩合給、派遣費、外注費など売上や稼働量に応じて変わる部分は、変動費として分けると分析しやすくなります。