ROIC計算ツール
ROIC(投下資本利益率)は、事業に投じた資本からどれだけ効率よく税引後営業利益を生み出したかを見る指標です。営業利益と実効税率、またはNOPATを入力し、投下資本で割るROIC計算式を同じ画面で確認できます。
ROICを計算する
入力後に「ROICを計算」を押すと、ROIC、NOPAT、投下資本、WACCとの差を表示します。
ROICの計算式
ROIC(%)= NOPAT ÷ 投下資本 × 100
NOPAT = 営業利益 ×(1-実効税率)
一般的な調達側の定義では、投下資本を「株主資本+有利子負債」とします。一方、事業管理では「運転資本+固定資産-非事業用資産」など運用側から組み立てる場合もあります。比較する企業・事業・期間で定義をそろえることが重要です。
ROIC計算の具体例
| 項目 | 数値 | 計算 |
|---|---|---|
| 営業利益 | 1億2,000万円 | 入力値 |
| 実効税率 | 30% | 入力値 |
| NOPAT | 8,400万円 | 1億2,000万円 ×(1-0.30) |
| 投下資本 | 8億円 | 株主資本+有利子負債など |
| ROIC | 10.5% | 8,400万円 ÷ 8億円 × 100 |
WACCが6.0%ならROICスプレッドは4.5ポイントです。ただし、単年度の数値だけで判断せず、複数年の推移や同じ定義で計算した事業別数値と比較してください。
ROICはいつ時点の投下資本で計算する?
年間のNOPATと対応させる場合、期首と期末の投下資本を平均する方法がよく使われます。期末投下資本を使う開示もあるため、絶対的に一つだけが正しいわけではありません。自社の管理目的では、次のルールを固定すると比較しやすくなります。
- 年間評価は期首・期末平均、月次評価は月初・月末平均など期間を合わせる
- M&Aや大型設備投資があった期は、資本投入時期と利益寄与時期のずれを注記する
- 現預金や非事業用資産を控除する場合は、全期間で同じ基準を使う
ROIC・ROI・ROE・ROAの違い
| 指標 | 主な分子 | 主な分母 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| ROIC | NOPAT | 投下資本 | 事業全体の資本効率、WACCとの比較 |
| ROI | 投資利益 | 投資額 | 個別施策・設備・広告などの投資採算 |
| ROE | 当期純利益 | 自己資本 | 株主資本に対する収益性 |
| ROA | 利益 | 総資産 | 保有資産全体の効率 |
個別投資の回収率を見たい場合は利回り計算ツール、売上に対する利益の割合を見たい場合は利益率計算ツール、利益計画を売上高へ落とし込みたい場合は損益分岐点計算ツールが適しています。
ROICを改善する主な考え方
NOPATを増やす
価格、製品構成、原価、固定費を見直し、営業利益率を高めます。税率差だけでなく継続的な営業収益力を確認します。
投下資本を効率化する
在庫・売掛金・固定資産の回転を改善し、利益に結びついていない資本を減らします。在庫回転率も確認できます。
計算時の注意点
- ROICの定義は企業や開示資料で異なるため、数値だけを横並びにしない
- 四半期利益をそのまま年間投下資本で割る場合は、年率換算の有無を明示する
- WACCは推計値であり、ROICが上回るだけで投資判断が確定するわけではない
- 本ツールの結果は経営判断・投資判断の参考値であり、専門家の助言を代替しない
ROIC計算のよくある質問
NOPAT ÷ 投下資本 × 100です。NOPATは営業利益 ×(1-実効税率)、投下資本は株主資本+有利子負債などで求めます。
期間利益との対応を重視するなら期首・期末平均が適しています。期末値を使う場合もありますが、期間比較では同じ定義を継続してください。
ROIC-WACCをROICスプレッドとして確認します。プラスなら資本収益率が資本コストを上回る状態ですが、将来の成長投資やリスクも含めて判断が必要です。
できます。営業損失またはマイナスのNOPATを入力すると、マイナスのROICを表示します。投下資本は0より大きい値が必要です。