業種別 粗利率 比較ツール
売上高、売上原価、業種を入力すると、自社の粗利率を業種別平均と比較できます。単純な粗利率計算だけでなく、同業平均との差、平均水準に必要な粗利益、見直すべき原価差額を確認できます。
業種別 粗利率の比較計算
粗利率と平均との差の計算式
粗利率は、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益が、売上高に対してどれだけ残るかを示します。
粗利益 = 売上高 - 売上原価
粗利率 = 粗利益 ÷ 売上高 × 100
業種平均との差 = 自社粗利率 - 業種別平均粗利率
平均水準に必要な粗利益 = 売上高 × 業種別平均粗利率
平均を下回る場合は、価格設定、仕入条件、外注範囲、商品構成、在庫評価のいずれかに改善余地がないかを確認します。
業種別の粗利率平均を使うときの見方
粗利率の目安は業種によって大きく異なります。卸売業や製造業は仕入原価や材料費の比率が高いため、粗利率は低くなりやすい一方、専門サービスや宿泊・飲食サービスでは、会計上の原価範囲によって粗利率が高く見えることがあります。
| 業種 | 平均粗利率の目安 | 読み取りのポイント |
|---|---|---|
| 卸売業 | 15.0% | 仕入販売が中心のため低め。同じ商品でも仕入条件と回転率が差になりやすい。 |
| 製造業 | 21.1% | 材料費、外注費、歩留まり、稼働率が粗利率を左右する。 |
| 小売業 | 29.8% | 値引き、廃棄、商品構成、仕入条件の影響を受けやすい。 |
| 情報通信業 | 47.3% | 人件費を販管費側で見る場合、粗利率だけでは採算を判断しにくい。 |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 60.6% | 外注比率や案件単価で大きく変動する。稼働時間あたりの採算確認も重要。 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 67.2% | 食材原価だけで見ると高く出やすいが、人件費、家賃、光熱費で利益が削られやすい。 |
平均との差がマイナスの場合
まず入力した売上原価の範囲を確認します。会計処理が同業平均と違うだけで粗利率が低く見えることがあります。そのうえで、値引き率、仕入価格、材料ロス、外注費、低粗利商品の比率を順番に見直すと原因を切り分けやすくなります。
平均との差がプラスの場合
粗利率が高いこと自体は良い傾向ですが、販売数量が少ない、固定費が重い、販管費を粗利後に多く使っている場合は営業利益が残らないことがあります。価格を維持できる理由と、粗利後の費用構造を合わせて確認してください。
業種別粗利率の比較でよくあるミス
全業種平均と比べる
粗利率は原価構造の違いが大きいため、全業種平均ではなく自社に近い業種と比較します。
粗利率だけで採算判断する
粗利率が高くても、販管費や固定費が大きいと営業利益は低くなります。営業利益率や損益分岐点も確認します。
原価範囲をそろえない
外注費、配送費、人件費をどこまで売上原価に含めるかで粗利率は変わります。期間比較では同じ基準を使います。
関連して確認したい指標
粗利率の比較で課題が見えたら、次に原価率、変動費率、営業利益率、損益分岐点を確認します。粗利率は売上原価までの指標なので、価格や原価の改善余地を探す入口として使い、最終的な黒字化は営業利益や損益分岐点で確認すると実務に使いやすくなります。
- 粗利率計算ツールで基本計算だけをすばやく確認
- 原価率計算ツールで原価が売上に占める割合を確認
- 変動費率・限界利益率計算ツールで損益分岐点分析の前提を確認
- 損益分岐点計算ツールで黒字化に必要な売上高を確認
データ出典と注意点
このページの業種別平均粗利率は、中小企業実態基本調査の公表値をもとにした目安です。中小企業庁はこの調査について、中小企業の財務情報や経営情報を把握し、中小企業施策の基礎資料を提供するための統計と説明しています。e-Stat の統計表では、個人企業の売上総利益は売上金額から売上原価を差し引く形で定義されています。